語学アプリで世界を目指す。2億円調達したベンチャー企業のこれから。

株式会社Lang-8。HiNativeやTREKなど語学習得アプリを世界で展開しており、会員数はすでに80万人を突破。社員数は5名ながらも、2016年10月には3度目、2億円の資金調達を終え、世界を見据えてさらなる成長を目指している。

そんな急成長中のベンチャーで開発の担当を担う社員が、なんと前職まではエンジニアリング未経験だったという。彼はどうやってベンチャーに行きつき、なぜエンジニアをすることになったのだろうか。

独学で企画、設計、そしてアプリをリリース

坂口諒さん、26歳。新卒で大手家具販売会社に入社し、九州の郊外で販売業に従事。もともとITの仕事がしたいと考えていた坂口さんは、未経験でも入れる求人を探し、短期間で大手SIerへと転職する。そこの会社でおよそ1年間提案営業を経験したのち、よりIT色の強いエンジニアになるべくLang-8に転職をした。

短期間で転職を繰り返しているように見えて、実は非常に用意周到であった。SIer時代に独学でAndroidアプリの勉強を続け、在職中にアプリをリリース。一人で企画から設計、そしてリリースまでしたアプリを手土産に、成長中のベンチャーを物色したという。

「未経験でエンジニアとして転職するなら、そのくらいは最低限必要かなと考えていました。今思い返せば、当時は平日仕事終わりに3~4時間、土日はほぼ終日、プライベートも何もなくひたすらAndroidの勉強をしてましたね」

いくつかのベンチャー企業に絞った中で、サービスを最初からグローバル展開していたのがLang-8だった。日本ではiOSの方がシェアが高いものの、世界のほとんどの国ではAndroidが優勢。坂口さんが学んだスキルを活かすにはグローバルなサービスの方が相性がよかった。また、坂口さん自身、世界に向けたサービスを作りたいという考えでAndroidを勉強してきていた。

自分で動かす仕事をしたかった

坂口さんは前職、前々職といわゆる「超大手」企業に勤めていた。抵抗はなかったというが、なぜベンチャー企業に転職したのだろうか。

「大企業は、どうしても社内を向いた仕事が多く、それが嫌だったんです。Lang-8は、仕事を自分で動かしにいける。入社年次も関係ないし、社長にどんどん提案できる距離感も理想的でした」

ベンチャーは様々な体制ができておらず、なにをやるにもルールがなかったり、そもそも前例がないことがほとんど。それを利点と取るか、欠点と取るかは人によって異なるだろう。

坂口さんは1社目、2社目の経験をもとに、自分が本当にやりたい仕事を、ベンチャーという自分が働きたい形で叶えたと言えそうだ。

HiNativeは本当に世界を狙えるのか?

lang-8の主力サービス、「HiNative」。全世界に向けたQ&Aプラットフォームで、言語や文化について尋ねると、その地域、国、言語のネイティブがすぐに返答をくれるサービスだ。現在世界190ヵ国、120以上の言語で利用されている。

HiNativeは2013年にリリース後、順調にユーザー数を伸ばし続けている。

社長の喜洋々さんは、京都大学在学中に上海に留学。言語習得のため、ルームメイトと交換日記のような形で日記の添削をしあったところ、会話よりも細かく具体的な指摘が可能で、語学学習にうってつけだと感じ、サービス化した。

「大学生の頃はメーカーの研究職になるのかなと漠然と考えていました。世界を股にかける仕事をしたかった」という言葉は、株式会社lang-8の設立によって異なるかたちで実現することになる。2007年に創業し、じわりじわりとユーザー数を伸ばし続け、2015年の9月に5万の大台に乗ったかと思えば、怒涛の勢いでユーザー数を増やし、現在は80万人を超えている。

代表取締役の喜洋々社長

世界で戦うための「スピード」を手に入れる

今までは自分の出来る範囲で、サービスを改善することに努めてきた。しかし、市場環境などから、先行優位性こそ今後の武器になると判断。資金を調達し、成長のスピードを重視することに舵を切った。

2017年に250万人、2018年には1,000万人ユーザーを見込んでいる。他社の言語学習系のアプリでは1.5億ユーザーを抱えているものもあり、市場規模は十分にある。lang-8もグローバルなサービスとして1億人ユーザーの獲得を目指している。

「世界で戦えるサービスにしていくために、エンジニアの存在は非常に重要です。私自身エンジニアなので、開発者の気持ちが理解でき、エンジニアにとって働きやすい環境を作ることに注力しています」

資金調達を経て、さらに成長が加速していくことだろう。

多様な働き方で「タレント」を集める

lang-8は働き方もユニークだ。

現在スタッフは社長を含めて5名。にも関わらず、リモートワークしているスタッフが2名いて、彼らと顔を合わせることは年に2~3回の合宿のときのみだという。

「エンジニアやデザイナーは、リモートワークが向いていると思います。もちろん、メリットデメリットはありますが、優秀な人材を獲得できるのであれば今後も積極的に取り入れていきます」

リモートワークの第一号社員は、長野県在住。フリーランスとしてLang-8の仕事を請けていたが、転職先を探していたところ、喜社長がスカウト。エンジニアとしてLang-8の一員になった。他にも、サンフランシスコに住む女性デザイナーもいる。

一緒に世界を見据えるサービスを創る人、Wanted!

資金調達を終え、より一層のサービス拡大を狙う体制が整ったLang-8。これから先、ユーザー数は毎年3倍、4倍というスピード感での成長を目指す。そのスピード感を、内側から感じてみたい、自分で創り上げたい、という人は、ぜひ話を聞きに行ってみてほしい。

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