既存の家電が買い換えなしでスマート家電へ。スマートスピーカーの登場で加速するスマートホーム変革

自宅内にあるエアコンやテレビ、照明、カーテンなどの家電をネットワークでつなぎ、制御することができる住宅「スマートホーム」。株式会社リンクジャパンは、既存の家全体をスマートホームに変えることができるプロダクトを製造販売している。それはスマートスピーカーと今ある家電を連携させ、簡単にスマート家電に生まれ変わらせるものだ。同社代表取締役の河千泰進一氏は、スマートスピーカーの登場でスマートホームは今、一気に加速していると話す。同社が手がけるスマートホームの実現とは。

スマートスピーカーの登場で加速するスマートホーム市場

国内IoT市場において、2016年の市場規模は5兆270億円であり、2021年では2倍近い11兆円に達する見込みだ。2016年~2021年の年間平均成長率では17.0%成長になり、今、期待されている市場のひとつだ(IDC Japan株式会社、2017年4月10日発表)。

「スマートホーム市場はIoT市場の成長とともに今後、伸びていく市場だと考えています。グーグルホームやアマゾンエコーといったAI搭載のスマートスピーカーの普及に伴い、スマートフォンの普及率と同じぐらいにネットワークでつながる家電や周辺機器が普及して、急成長が見込めるでしょう」

今までのネットワーク接続の家電では、スマートフォンでアプリを立ち上げて、そこから操作を行うというのが主流だった。スマートスピーカーが登場したことで在宅時、声での家電操作が可能になり、スマートフォンやリモコンといったものが必要なくなった。利便性は一気に向上した。

スマート家電といえば、ネットワークにつなぐことができるそれ専用に作られた家電を指すのが普通であった。家電を買い換えること自体、決して簡単に乗り越えられるハードルではない。そもそもそういったネットワーク接続ができる家電は、値段も普通の家電よりも高めに設定されていることが多かった。

「これでは一般的に普及させるのは難しいものになってしまいます。当社のプロダクトはGoogle Home、およびAmazon Echoに対応しており、当社のプロダクトを介することで今まで使用していた既存の家電を買い換えることなく、ネットワーク接続させることが可能になります」

スマートスピーカーと同社プロダクトのIoTリモコン「eRemote」を介することで既存の家電がスマート家電に変わる【同社提供画像】

スマートスピーカーと「eRemote」で簡単にスマート家電化

スマートスピーカーで家電を操作するには、例えばGoogle Homeであれば、Googleアシスタントに対応した家電に買い換える必要がある。リンクジャパンのIoTリモコン「eRemote」があれば、部屋のどこからでもハンズフリーで家電を操作することができるようになる。eRemoteは学習型リモコンで、リモコンの赤外線をeRemoteに記憶させて、リモコンと同じ赤外線コードに変換し家電を操作することができるプロダクト。リモコンと同じ赤外線コードによる操作のため、メーカーや型番、年式関係なく、様々な家電のコントロールが可能だ。

「Google Homeが聞き取った『OK Google、照明をつけて』『OK Google、照明を消して』など、シンプルな声かけからeRemote経由で家電を操作することができます。帰宅直後に靴を脱ぎながら照明をつけたり、就寝前や起床時にベッドの中から声だけで家電を操作することができる、ストレスフリーの快適な環境を実現します」

eRemoteは外出中でもアプリで操作することができる。

「寒い冬や暑い夏でも帰宅前にエアコンをつけて室温を快適にすることができたり、eRemoteには温度センサーが搭載されているため、温度確認もできるので留守をしているペットや小さな子供のために温度調整も可能です。ほかにも旅行中、定期的に自宅の照明をつけたり、1人暮らしの女性は帰宅する前に照明をつけたりと防犯対策にも活用していただけます」

セキュリティーについては、最新のセキュリティーが導入されている。全ての通信を暗号化されるうえ、制御コマンドをスマートフォン本体とクラウドにのみ保存。たとえ家庭内ネットワークに進入できたとしても、コマンドデータをコピーできないので勝手な制御はできない。

「クラウドのセキュリティーに関しては、世界最高水準の安全性を誇るAmazonのAWSを利用しています」

またeRemoteを寝室やリビング、子供部屋などに複数台設置することで、寝室でリビングのエアコンをつけたり、リビングで子供部屋の照明を消したりすることもできる【同社提供画像】

IoTを活用したスキームは無限大

「スマートスピーカーはまだ市場に出回り始めたばかり。ここ1~2年はまだ様子見で、購入ニーズが急激に増えることはないかと思いますが、2~3年後には一気に加速し相当な利用者数が見込めると考えています。またスマートスピーカー購入者の継続利用率は高いことからも、ニーズを捉えた商品であることは間違いないはずです。実際、当社製品を購入された方の83%はアクティブユーザーで毎日使ってもらっています」

現在、同社は製造販売のみになるが、今後はパートナーとアライアンスを組んでの展開を考えている。

「製品の設置や設定は一般の方には少しハードルが高いのではと感じています。設置やアフターフォロー、新商品が出れば随時交換などのサービスを提供していく予定です」

IoTを活用したサービスはスキームができれば見守りや防犯をはじめ、何にでも展開していくことができる可能性を無限に秘めており、またIoTは1回導入してしまえばアップデートでいくらでも新しいものを加えていくことができる。

「それゆえ当社のサービスも今後、様々な価値を付随していくことが可能です。例えばスマートホームが感知した異常をただアラームを鳴らすだけでなく、駆けつけサービスなどと連携させることも難しくはないでしょう」

「ローコストで導入できて、すぐに使える」これがスマートホーム普及促進の鍵になるとまとめた河千泰氏。スマートスピーカーと同社のプロダクトでスマートホーム、スマート家電がグッと身近なものになった。IoT化された住宅が当たり前になる日も近いかもしれない。

リンクジャパン代表取締役の河千泰進一氏。1979年中国生まれ。日中政府会談・交流の通訳、飲食店経営、医療ツーリズム事業、Eコマース事業の創業を経て、2014年にスマートホームデバイスに特化したリンクジャパンを創業

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